2021年第1回目のお話です。少し遅くなりましたが皆様あけましておめでとうございます。また今年も、写真の話ぽつりぽつりとしていきたいので、お付き合いのほどどうぞよろしくお願いいたします。
大晦日の東京ベイエリアのキリン #100 |
そういえばお正月皆さんもたくさん写真を撮られたと思います。僕も大晦日からお正月いろいろ写真を撮りました。この時期 撮る機会は増えますね。昔からお正月と言えば富士フイルムのテレビCMで「お正月を写そう、富士カラーで写そう」と言うCMがお正月の定番になっています。僕も撮った写真の中でこの時期は記念写真が多いです。しかも家族での記念写真。フィルムカメラで撮るのもあれば、デジカメあるいはスマホで撮るのもあります。そしてそれとは別に作品も撮っています。特に大晦日今年最後の夕日とか。よくいただくご質問で記念写真と作品の違い。観光地での訪れた記念写真と作品の違いは何ですか?と聞かれることが多いです。
大晦日の東京ベイエリアのキリン #101 | 大晦日の東京ベイエリアのキリン #102 |
記念写真と作品の違い。記念写真は、記録性記憶性が大事です。何月何日こうゆうことがあった、ここに行ったという記録。100%あるいは視点の多くが客観性で見ている。感情や感動をあまり入れないでありのままに撮っている。わかりやすく言えば結婚式の婚礼写真や集合写真は記録写真。でも最近は婚礼写真もポージングがモデルさん風や屋外で自然のまま撮るようなって来ました。こうなると作品です。撮り手であるフォトグラファーが、このカップルはこんなイメージで撮りたい。その主観が客観性を上回ったときに記念記録写真から作品になると思います。だから意外と、結婚式の宴席で最近はテーブルにチェキが置いてあり、参加者がそれで思い思いに新郎新婦と記念写真を撮るのが日本のみならず海外でも流行っています。このチェキで撮った写真は、じつはとても作品になっていることが多いです。とても個人的な主観・思いで撮っているので、 結婚式の感情が伝わります。何回か審査させていただいた富士フイルムさん主催の「10万人の写真展」応募作品の半分以上が、家族のファミリースナップです。どの写真にも家族の想いや、家族ならではの視点がこもっており、審査が毎回苦労します。まさに家族の作品です。
大晦日の東京ベイエリアのキリン #103 | 大晦日の東京ベイエリアのキリン #104 |
逆の場合もあります。よく自分の写真を見てくれ!!と言い富士山や桜の満開の写真 あるいは登山で頂上から撮ったご来光があります。よくあるパターなのですが、きれいなのですが奇麗であるという世界の向こう側が表現できていない。あるいはその人なりの視点がない。写真だけを見たら、佐藤さんでも山田さんでも鈴木さんでも撮れる。僕が撮った、相原ならではの視点がない。ワーすごい、きれいだった、だからシャッターを押してみました。自分なりの構図、色使いなどなどがない、ただその時の記録に終わっている。ではこのような観光地できれいな風景や瞬間に出会ったとき、どうすればよいか?それは自問自答すること。この風景、あるいはこの瞬間のどこに自分は惹かれたのか!深呼吸をして心を落ち着けて自問自答するそれしかない。
テカポ湖 Photo 1 | テカポ湖 Photo 2 |
ただ時にはきれいだから撮った記録はとても大切になる。年を経て昔ここに行ったことがあるという場所の写真を見るとき、記録写真も説明写真も大切だと思うことがある。ですので風景等に関しては、主観性100%の作品と客観性が大きな記録と両方を撮っておくのが一番良いし、どちらも大切。そして写真が他のアートと大きく異なるのは記録性。どのような作品も時間がたつと記録性が浮き出てくる。時代の記録、生き証人これが写真の宿命。絵画が自由で独自の世界を描けるようになったのも、写真の登場によるもの。写真の登場により、それまで絵画に求められていた写実性が必要なくなった。写実による記録性から絵画を解放したことが、絵画の世界を大きく発展させた。記念写真と作品、記録写真と作品。この違いはとても難しい、コロナ禍Stay
Homeで時間に余裕ができるいま、じっくり写真史
を見て勉強すると皆さんなりに別の答えが見つかるかもしれない。
以上が僕の作品と記念写真の違いの答え、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
テカポ湖 作品 3 | テカポ湖 作品 4 |
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